ClipperFile NO.013

バンド名
i-nos(アイノス)
ジャンル
サウンドユニット
結成
2004年

ボーカルの綾(りょう)とキーボードでサウンドプロデュースのhotta(ほった)による男女2人のサウンドユニット。「優しさのなかにある強さ」をコンセプトに、生命や人生(LIFE)をテーマとした幅広い層の心に響く愛情ある楽曲を発信。

自己紹介をお願いします。

(綾)i-nos(アイノス)というサウンドユニットでボーカルをしています綾(りょう)と申します。栃木県の親善大使「とちぎ未来大使」もやっています。よろしくお願いします!

(hotta)i-nos(アイノス)でキーボードとサウンドプロデュースをやっているhotta(ほった)です。二人で活動しているサウンドユニットです。よろしくお願いします。

結成してからどのくらい活動しているのでしょうか。

(綾)私がhottaさんのオーディションを受けたのが10年前。

(hotta)ははははっ!(笑)10年も経ったんだ。

(綾)なので、今年10周年になります。

(hotta)実は10周年だそうです。

(綾)結成から数えると10年かな。2009年のメジャーデビューからはちょうど5年目になります。

結構長いですね。オーディションで結成されたんですね。

(hotta)そうなんです。真剣に音楽をやって行くためには、真面目に取り組みたかったので、末永く一緒にやっていける人を探していました。適当に誰かボーカルやってくれる人って感じではなく、僕も信用されなきゃいけないので「これだけの楽曲もちゃんと用意してます!これからこういった活動をちゃんとできる人を探しています。」という事で応募をかけたところ、その中からいくつかレスポンスがあって、その中に綾がいました。

当初の応募者数は多かったですか?

(hotta)えっとねぇ~。

(綾)そりゃあもう、何万人って、ねぇ?!名プロデューサーですから!!(笑)

(hotta)応募者の中には、結構面白い方たちがいっぱいいましたね。グラビアアイドルをやっている方とかね。本当にいろんな方がいたんだけど、その中で現在も音楽活動をされている女性ボーカルの方なんかもいたりして、実はi-nosのオーディションを受けてくれた方が僕らの活動している界隈にいたりして、面白いなぁと思いますね。

ボーカルを綾さんに決めた理由は?

(hotta)その時に、いくつかある曲の中で「この曲を歌える人」というので、まず曲を絞り込んでいて「こういう曲を歌いたいんだ!」って言ってくれたのが綾でした。もちろん皆、いろんな人がいて、「何でも歌える。」という人もいたんだけど、あんまり綾は覚えてないのかも知れないけどその時に「こういう曲を歌いたい。」っていうのを言ってくれたんだよね。

(綾)私覚えています。応募履歴のメール残ってますよ。

(hotta)取っておいてんの全部?!凄いね!!

(綾)私実はhottaさんだけじゃなくて、オーディションにいっぱい応募していて、その中でhottaさんが作ったデモテープを聞いて、正直言えばあまり好きなジャンルの曲ではなかったんです。その当時の私は踊りながら歌うバリバリのダンスミュージックを歌っていたし、R&Bをクラブで歌ったりして、hottaさんの曲は今まで歌っていないジャンルだったんです。でも、一生音楽を続けるんだったら、こういう音楽だったら一生続けられるんだろうなって思ったんです。それで、hottaさんのオーディションだけを受けました。

その時、お互いが同じことを考えていると感じたんでしょうか。

(綾)いえ、ごく普通のボーカル募集だったんですけど、一生音楽を続けることを考えたらノリノリの曲よりも、ちょっとバラード調というか、歌いあげる感じの曲をその時はやってみたかったので「バラード系の曲が好きです。」と書いたんです。

(hotta)僕もいろんな音楽のジャンルをやってきて、「i-nos」というユニット名の意味も、曲も全部ができあがっている状態でした。

(綾)私はユニット名を聞く前に、自分の過去の出来事や自分自身の問題なんかを全て、はじめに打ち明けたんです。そしたら、hottaさんが作ってきて、意味を説明してくれて、私はこの人天才だと思った記憶があります。

(hotta)曲のこと?

(綾)曲じゃなくて、i-nosというユニット名の意味。

(hotta)それは、実はもとから決めていたものに、綾のことも全てが繋がったからなの。

(綾)じゃあ運命だ!!私のために作ったんじゃなくて、あったものが合致したのは運命だ。

(hotta)いろんなユニット名がある中でi-nosという名前はあって、僕は「i-nosをやりたい。」って決めてたの。募集の時に「i-nosというユニットをやります。」って載せちゃうと、良くないから詳しくは言ってなかったんだと思って言わなかったのかな?オーディションではユニット名は教えてなかったんだっけ?

(綾)私は「ユニット名をいくつか考えてみたいんだけど。」って言われて、次にhottaさん会った時に、小さな紙ナプキンに書いてi-nosの意味を説明してくれて「君の持っているものを音楽で表現していこう!」って言ってもらえたのを凄く覚えています。

綾さんに出会ったから、ユニット名は100%決まったという感じでしょうか。

(hotta)それはあったと思う。どこで思いついたかっていうのも全部覚えているんですよ。「これからはこういう楽曲をやっていこう!」と決めた時に全部を揃えて、このユニットでは「この曲を歌えないとできない。」と思ってたので、最初オーディションをした時にお互いに何を考えているのか、結構長い時間話をしました。僕も怪しい人だと思われないように、信用してもらわないといけないので。ぶっちゃけ、今もそうだと思うんだけど、当時の音楽業界は怪しいものばっかりだったんですよ。

(綾)私も東京に出てきたばっかりだったんで、怪しいかもしれないと警戒してました。オーディション当時、私はまだ学生だったので、友達の中から3人くらいの男の子をボディーガードとして来てもらっていて「もし何かあったら助けに来て。」とhottaさんから見えないところで待機してもらってました。(笑)

(hotta)変なことしたらボコボコにされる、危ないところでした(笑)。僕も極力、怪しまれないように気をつけましたよ。

(綾)第一印象は細~い、色が白~い、サラサラヘアの人が全身黒ずくめで、アタッシュケースを持っていて、ちょっと怪しい感じでした。

(hotta)怪しかったねぇ~。

(綾)「はじめまして!」と挨拶しながらも、どっちだこの人?みたいな感じはありました。

オーディションで心を開いたという感じですか?

(綾)私はオーディションを受ける側なので、ガチガチに緊張してました。当時の私は赤のヘアエクステンションを編込んだロングヘアで凄い派手だったので、それを必死に隠そうと帽子をかぶってナチュラルメイクにして、おとなしい恰好で行きました。

(hotta)きっと、どこまで自分をさらけ出していいのか、分からなかったんだろうね。

(綾)年上の方だから初めて会う時に派手な格好だとなぁ、と会社の面接みたいなイメージで凄くおとなしい恰好で行った記憶があります。

(hotta)そうだったね。でも、歌を聴かせてもらった時に、そういうのは全部分かって、バレるよね。この人普段、どういう感じなのかって。

その時はそれが分かって、綾さんと一緒にやりたい気持ちになったんですか。

(hotta)そう。あのねぇ、ぶっちゃけ僕、本当はぶっ飛んでる人が好きなんですよ。

(綾)失礼だな!ぶっ飛んでないわっ!(笑)

(hotta)個性があるんだけど、それを秘めている人が好きなの。まさかそんなことをやるとか、いきなり何を言い出すか分からないっていうのは、ちょっとワクワクできるっていうか。そういう生活をしたいなっていうのがあるから、一見では分からないんだけど何かそういう部分を秘めているようなところがある人って、きっと歌で表現してくれるんじゃないかなって思ってる。声とか歌い方の表現って、例えばお芝居の演出家と演者がいる関係と同じで、演出家が思っていることを、演者がどれだけ表現してくれるかっていうことを期待してるんです。その関係が面白いと、一緒にお仕事できたり活動していけるし、演者達は表現することに命をかけているから、何か秘めている感じがあると思うんです。

決まった後、ユニット活動をはじめるまではどのくらいの期間かかったんですか?

(綾)実は私、一年間スタジオに監禁されていたんです。hottaさんが作った曲を実際に歌って人に伝えるのは私なので、多分最初は全然駄目だったんでしょうね。そこで「とりあえずスタジオ行ってみようか。」みたいにやんわりと言われて、「いつライブできるんだろ~!!」って思いながらスタジオの扉を開けてみると、もの凄い年上のベテランのドラムとギターのスタジオミュージシャンの大先輩が座っていました。「こういうのって芸能界でありそう!」って思って、頑張ってスタジオに通っていたら結局1年経ってしまいました。ずっと、「今日は何時にスタジオへ。」という連絡は来るけど、ライブの話は出て来ないし、途中でhottaさんは本当にやる気があるのか一瞬不安に思ったりもしたんですけど、どうやら一年間で表に出せるところを見極めて、中途半端な状態で出したくなかったようです。

(hotta)そうなんだよね~。

(綾)申し訳ないんですけど、冗談半分ですけど、監禁されたと言っています。

(hotta)どうせ表にドーンって出るんだったら、ちゃんと準備して出来上がったもので「どうですか~!!」ってやりたかったのね。やっぱり準備期間があって、その後から活動期間がはじまるので。一応メジャーデビューするということだったので、そこまでは出せる準備が整ったから、デビューできたっていうのがあるかな。

(綾)逆に「ここがダメ」とか何も言われなかったです。「こうした方がいい。」っていうのは、 実はほとんどそういうことを言われた記憶がなくて…。だけど今考えてみたら、一番最初に作ったデモテープと今の私の歌い方は100%違うんです!別人が歌ってるのかと思うくらい。hottaさんはそれをうまくコントロールしようとして、唯一言われたことは「綾ちゃん、マイクのシールドを綺麗に8の字に巻けるようになったら一人前だよ!」とだけ言われたのは覚えています。それを巻けるようになるまで一年かかったんだけど、それを巻く練習をさせながら、実はコントロールしてたんでしょうね。

hottaさんは人をコントロールするのがうまいんですね。

(綾)いやぁ~!たまに間違える。

(hotta)文章で伝えることがあるので、誤解を招いてしまったりするんですけど。だからちゃんとお話ししないとダメでしょうね。

(綾)そう、何事も会って目を見て言った方が、厳しいこともいいことも伝わりますよね。今はもう10年間一緒にいるから、例えばメールに記号がなくても、別に怒ってないんだなって感じはあるけど。最初はメールでいつもは記号使ってるのに、途中で記号が入ってないと、この人怒ってるのかも?って思ってました。さすがに今はもう慣れてきました。

(hotta)現代っ子だね。全然そんな、怒っている感じはなかったんだけどね。

現在の活動状況はどういった感じでしょうか?

(綾)私たちは「現状こういうことをしてます。」っていう感じではなく、ず~っと10年間歩き続けているので、その過程の中で新しい曲ができたり、お仕事を頂いたりしています。

(hotta)i-nosって楽曲を作って、それを皆に聞かせて「どうですか~?」っていう感じの活動じゃないんですよ。1曲、1曲ちゃんと理由があって、ずっと辿って行く過程の中で、僕たちはクリエイティブな感じで活動をしたいなと思っていて、ただ「作って、歌って、買ってください。」じゃなくて、「こういう音楽を作れる。こういう音楽も作りますよ。」っていうアーティスティックな部分と、そうじゃなくて、ちょっと意味合いは違いますが「商業的な部分」があってもいいとは思っていて、ただあくまでもクリエイティブな意味ををもった活動でですけど。その甲斐もあって例えばプロスポーツチームから応援ソングを作って欲しいという依頼が来たり、デパートやショッピングモールで流す曲を作ったり、企業のイメージソングの依頼だったり。震災があった際には、「i-nosが作った震災の曲を聞きたい。」と地方から声をかけてもらって、機会を頂いたり。僕たちはずっとそういった流れを辿ってきています。

(綾)でも、そこだけ取り上げて文章にしてしまうと「そういうのを作って歌ってる人達なんだな。」っていうイメージがつきがちなんですけど、全部依頼されて作った曲はそこで終わりではなく、i-nosの曲として、自分達のライブでも演奏するんです。逆に、自分達が歌ってる曲に企業のタイアップがつくこともあります。たまたま最初の曲作りのテーマやキッカケが依頼で来るだけであって、自分達はこういう想いを込めて作りたいなど、いろんなことを考えて曲ができています。依頼を受けて作ってはいるんですけど、たまたま最初のキッカケが依頼というだけなんです。

(hotta)でも音楽活動している人達の中でも、依頼を受けて曲を作る仕事ってなかなか出来ないからね。僕らに依頼を頂けているというありがたさは感じていて、i-nosとして色々表現してきたことの活動の結果がこういった形で結びついてきたんだと思っています。そうであって欲しいと思う。

(綾)まだまだなんですけど、たまたま色々なお話が来るように、ちょっとずつ結びついてるのが、地道に続けてやってきたから、そういったキッカケを生んでいるので。現状今どういう活動をするというよりかは、キッカケを結べるような活動を今もこれからも、していきたいなと思っています。

10年の間に、辞めたいと考えたことはありますか?

(綾)辞めるという結論を考えたことはないです。だけど、どうしようとか、もっとこういう風になったらいいのに、って考えることはある。理想がたまに食い違って、ぶつかることは多々あります。その中でワチャッてなったりとか、このままでいいのかな?とか。10年前思い描いていた未来と今が違うかもしれないので、現実を知ってこのままでいいのかな?って思う時は正直ある。だけどそれが、辞めようかなって思うのではなく、どんな環境でも世界中どこにいても、歌い続けるにはどうすればいいのかって考える。私も女性なので、いつか結婚して家庭を持って家族が増えたりとか、人生色々あると思うんだけど、音楽をはじめるキッカケが、歌い続けられる限り一生歌っていこうと思ってはじめたので、それを辞めようと思った事は一回もないですね。

(hotta)音楽だけじゃなくて、いろんな活動があって。夢を持っている人達って、ちょっと間違えちゃうとがっかりすることばっかりなんですよ。活動を続けていくことって、僕らの場合は作ってそれを売るのが仕事って考えちゃうと、ちょっと何かが違ってきちゃうんですよね。そうすると、2,3年でやっぱり辞めようかみたいに、皆なっちゃうと思うんですよ。だからもう少し考え方を変えてみて「自分達は意味を持って音楽をやっているんだ。」って気づいてくると少し活動の仕方が変わってくると思うんですよ。それぞれの活動を続けていく中で、いくつか結果が出てくればいいと思うんですよ。もちろん頑張らなきゃいけないけどね。

(綾)やっぱりショックなことって沢山あるんですよ。やればやるだけ言われることもあるし。人に言われて一喜一憂していた時期もあって、こんな思いをするなら音楽なんて、と思ったこともあるんですけど。でも、何クソ!って思って。一番最初にhottaさんが「i-nosは僕の一番最後のプロジェクトで、これを失敗したら、多分僕はもう表に出ないだろう。」って言ってたのを凄く覚えています。この人本気なんだなって思ったんですよね。

(hotta)それは今でも変わってない。

(綾)オーディション受かった当時は若くて「やったーっ!自分の曲やライブができる!!」って舞い上がってしまって、忘れていたんですけど。10年たった最近になって、hottaさんが言った話を思い出して考えます。

(hotta)大人になったね!

(綾)10年経ってますもん!(笑)

綾さんは海外へ行くと聞きましたが、これからの夢はありますか?

綾)海外へ行くと言うと、「i-nosの活動どうするの?」ってよく聞かれるんですけど、逆にもっと簡単に考えていて、i-nosを一生続けるために行くんです。10年間活動を続けて来た中で自分が必死だったかどうか、もっと自分にできることって何だろうと思って。今までは私がその時思っている気持ちを詩や曲にしてくれるhottaさんがいたし、頼って守られている中にいたので、そこから一歩新しい環境へ進むために、一度日本を離れてボーカリストとして吸収したものを持って帰ってきてi-nosで活かしたいんです。そのために行くんです。

(hotta)活動休止するほど長い期間ではないので、かと言ってガラリと違う環境に行くので、得るものがいっぱいあると思う。i-nosをやるか/やらないかになってしまったらそれはそれで残念ではあるけど、とりあえず無事に帰ってきてほしい。それだけ。

hottaさんはこれからi-nosをどうしたいですか?

(hotta)「目指すところはここ。」って決めてしまうと、つまらなくなっちゃうんですよ。そこに行くためだけに、今やってるってなっちゃうと、せっかく今出来ることを出来なくなってしまったりするんで、今だから出来る自分達だから出来ること、それは音楽でも音楽以外のことを含めて、自分達の活動に意味があって続けているんだと思えば、分かるんじゃないかなと思うんです。これが見えなくなっちゃう人っていうのは、何のために音楽やってるんだろうみたいになって、売れないから辞めようかな、とかなるんですよね。そういうんじゃなくて、やっていく以上は自分の中で意味を持って、それなりの活動をこなして行けば、絶対に自分の活動のひとつひとつに意味を持てるので。活動を続ける中でまた何か面白いことが出てくると、信じています。そこだけかな、信じているところかな。

ひとつひとつしっかりと続けていれば、絶対何かに繋がるということですね。

(hotta)そう、絶対に繋がるはずなんです。今ひとつのことをやってるということに関して、決して「偏った活動をしている」とは思って欲しくない。今はこれをやっていて、次にやらなきゃいけないこともあるし、もちろん同時にもやっているし。そういう気持ちでやってるから。

(綾)そう思います。結果は後からついてくるじゃないですけど、それを考えたら今を本気になれるんじゃないですかね。例えば精一杯考えて本気でライブをやって、一人でも二人でも良かったと言ってくれる人がいるという結果を想像すれば、必死になるじゃないですか。

(hotta)目の前の一人の心を動かせないのに、それ以上のことできるの?って思うんですよ。

(綾)それも大変だしね。

(hotta)それをどれだけ経験してきているか。CD1枚売るのに、どれだけ大変なことなのかとかね。とにかく目の前に立っている人の心を動かせなくて、それ以上のことなんて望めないよね。

Clipsライター
インタビューを終えて
i-nosというユニット名の意味や「優しさのなかにある強さ」というコンセプトを知った上でお話を伺ってみると、このユニットはhottaさんと綾さんの音楽への強い愛で続いていくだろうという印象を受けました。ひとつひとつの活動には全て意味がある。それを一生全力で続けるというのは大変なことだと思います。是非見習いたいと思える心構えを教えて頂きました。ありがとうございました。